透明会計ってなに?「明朗会計は聞いたけどあるけど、透明会計ってなんだ?」と考える方も多いのではないでしょうか? 確かに透明会計って聞きなれない言葉ですよね。この言葉は2006年5月1日に施行された新会社法に伴い、ちらほらと見聞きするようになりました。 「透明会計」は「見せる経営」とも呼ばれます。決算情報を社内・社外に公開・共有し、オープンにすることです。 なぜ「透明会計」は「見せる経営」が叫ばれているのでしょう? これには2006年5月1日に施行された新会社法が大きなターニングポイントになっています。 新会社法には「株主総会と取締役ひとりでも株式会社として成り立つ」、「取締役会も監査役も要らない」というような極めて柔軟な機関設計や、資本金規制の撤廃など、新会社法の根幹には定款自治・規制緩和の方針が明確にあります。 つまり、この度の会社法改正により最低資本金制度が廃止となり、取引をするときの今までのひとつの指標であった資本金の額というものに対する見方が変わってくるはずです。 今までであれば「あの会社は株式会社だから安心」とか「資本金が多いから安心だろう」といったように、「株式会社」「資本金」の看板だけで安心できる企業と考えられることもあったのではないでしょうか。 そういったことから有限会社では300万円、株式会社は1000万円の資産があって資本が多い株式会社のほうが信用できるという風潮が知らず知らずのうちに刷り込まれていったのではないでしょうか? 例えば、お子様や親戚の就職が決まったときに会社名を教えられたとき聞いたことのない会社でも「株式会社なら安心だろう」と思ったことはありませんか? これからは違います。株式会社という冠があったとしても、それだけで会社を信用できる材料にはならない時代に私たちは入りました。最低資本金というものがありませんので、資本金をみただけではその会社がどうなのかということがわからないでしょう。 そこで会社法では株式会社(特例有限会社をのぞく)は決算公告が義務となっているわけですが、今までも株式会社である企業は、企業の規模に関わらず、これを実施する事が義務づけられており、これを行わない場合は100万円以下の過料処分に処せられる事になっています(商法第498条第1項)。 しかし、それを守っている会社はごくごく一部でしたが新会社法により、決算公告が果たす役割が大きくクロースアップされています。 なぜ透明会計が経営力アップにつながるのでしょう?社会的信頼を強くします!決算公告は法律により義務付けられているコンプライアンス(法令遵守)の問題です。 違反すれば、100万円以下の過料処分に該当するだけでなく、社会的な信用問題とも関係してきます。企業による相次ぐ会計不祥事から、取引先からの自社に対する信用力と信頼性は大企業だけでなく、むしろ中小企業へも一層強く求められています。また、積極的に自ら開示していく事は逆に社会的信頼を強くし商機を大きくしていくものともいえます。 一部の企業で粉飾決算など、会計不祥事が続きました。企業不祥事が企業に与えるダメージは非常に大きいです。そこで、いかに「コンプライアンス(法令遵守)」を確保するかが、企業のテーマとなっていきています。これは会社の規模に関係ありません。 これにより、どんな企業でも信用、信頼できる会社であるのか、を社会的に強く求められるようになってきているのは皆さんも感じているのではないでしょうか? ご自身(自社)が、どこかの企業と取引を行おうと考える際に、それを考えない事はないのではないでしょうか。 今後、決算公告、透明会計が経済社会で一般化していく中で、経営者個人、法人格の種類、資本金の額や事業規模などの外形、あるいは、使用調査会社等の情報に依存していた「会社」の信用が、決算情報の公開・共有に移行してゆくと考えられます。 「透明会計」は、社員のやる気を高めます!決算書を社会に向けてオープンにすると同時に、社員に向けてもオープンにし、その数字の意味をしっかりとわかってもらうことがとても重要です。 決算情報をオープンにすることで、自立した社員が育ち、会社がよくなる。そして社員の未来も明るいものになるのです。 「社長ばかりいい車い乗っている」「社長ばかり高いお金をもらっている」と社員は思っていませんか? 愛社精神はどうでしょうか? 社員は会社を誇りに思えていますか? 社員に決算情報をオープンにすることにより、社員も数字のことを考えてくれ、その結果やる気も高まり、また、責任感も高まっていくのではないでしょうか? 決算公告は、会計を公開することにつながり、会計の公開は、努力の結果が数値として表され、社員のやる気を向上させます。いい数字・悪い数字、明も暗も含め会社の実態を知ることができ、社員一人一人がおのずとやるべきことが見えてきます。 ある社員はコピー用紙をムダに使うことを気を付けるかもしれません。ある社員は効率的な時間の使い方を模索するかもしれません。ある社員は飲み会などで社長に自分の経営論を語るかもしれません。 決算情報を公開・共有することにより競争原理の自然発生があります。競争の原理が働くと、仕事がゲーム化し、勝つことへの欲望が生まれます。 「経営をゲーム感覚で考えてもらっては困る!」と考える経営者もいるかもしれませんが、社員が経営や会社について考えるきっかけとなることは確かです。 最初は小さな芽かもしれませんが、それが会社の未来をつくっていく大きなターニングポイントとなっていくはずです。 想像してみてください。 社員全員が会社のために、経営力アップについて考えながら日々仕事をしている会社を。 |
|
ご利用規約 | プライバシーポリシー | 推奨環境・プラグイン | サイトマップ | お問合せ |